投稿者 まなみ
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あの夜私は涙で滲む大きな月を見ていた
これは現実なのだと
夢を見ているのではないと
夢は夢でしかないと確信した

今もまだ夢を見ているような気がして
朝起きたら隣にはあなたがいるような気がして
夜になれば私を求めるあなたの声が聞こえるような気がして・・・
だけどそれは夢でしかなくて
現実はただ大きな月だけが私を照らしている

月はただただ明るく私を照らしてくれて
まるであなたの面影をこの部屋に映すように
優しく暖かく見守ってくれていた

今ここには私自身しかいなくて
なぜここに私しかいないんだろうとか
なぜここにあなたはいないんだろうとか
名前を呼んでみても振り返ってみても
なぜこんなに静かなんだろうとか
こんなに静かだったかなぁとか
思い出してみても今の私にはなんの意味もないから
ただただ涙でにじむ月を見ていた

あなたが去ったこの部屋から
こんなに大きくて綺麗な月が見れることも
こんなに冷たい風が吹くことも
私は知らなかった
もしかしたら私はあなたのことも
何も知らなかったのかもしれない

でもこれは夢ではない現実なのだということは
私は知っていた

でも、夢だと信じたい私もいたということも
私は知っていた

思い出すことなど何もないんだということも
私は知っている・・・




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